不倫と文学
不倫や浮気は、古今東西世界のさまざまな文学で重大なテーマ。それだけ「不倫」は日常的に起こり得るリアルさを伴ったテーマなのです。
実際にいくつか不倫に関するお話を読んでみると、当然といえば当然なのですが、浮気をする側が主人公の場合、不倫はたいてい美しく描かれます。不倫してしまった事に罪悪感はあっても、パートナーに何らかの問題がある場合も多いようです。浮気しても仕方がないという、共感を得るためかもしれません。身勝手で自己中心的な主人公が浮気をする話は、読んでいて不快になるだけでしょうから、仕方がないかもしれませんね。なんにせよ、不倫を美しくデコレーションした物語を見れば、浮気願望の一端を見ることができます。不倫も恋愛物語のひとつなのです。
浮気をされる側が主人公の場合はどうでしょう。主人公は苦悩するのは当然として、たいていは自分自身に問題があったのではと、苦悩する事になります。主人公は浮気されても、ヒステリックに怒ったり、支離滅裂な理論を展開したりはしません。また、浮気された人が脇役の場合は、復讐する事もあるのですが、不思議と主人公が浮気の復讐をする話はありません。あれば面白いと思うのですけどね。
さて、そんな不倫をテーマにした文学と、その主人公たちの結末をちょっと見ていく事にしましょう。実際に浮気をした時や、された時の参考にはあまりなりませんが、自分以外の人にとって浮気はそんなものなのかを、考えるきっかけになります。