女の浮気、男の浮気
不思議なことに浮気願望を持った人は多いのですが、なぜかそんな人はパートナーの浮気には寛容ではないことも多いようです。 そんな人は身勝手で自己中心的な人なのでしょうか。実はそうとばかりは限りません。
人間は本能的に浮気をするという説があります。女性が浮気をするのは、より良い遺伝子を残すために優れた男性を求めた結果起こるものであり、男性の浮気はより多くの遺伝子を残すために行われるものという説です。利己的遺伝子という言葉、聞いたことはないでしょうか。働きバチが子供を作ることもなく、女王蜂に忠実なのは、遺伝子を残さなくてもいいという本能があるわけではありません。これは子供に50%自分の遺伝子を残すよりも、女王蜂が近親婚で自分の持つ75%の遺伝子の子供をつくった方が、遺伝子を残すためには優れている方法だからと説明されます。利己的遺伝子論を人間に当てはめてみれば、人間の遺伝子の残し方は、50%を子供に伝えることです。ですから男は数多くの相手を望み、女はより質の高い環境を与える男に乗り換えたがる事になります。
男の浮気は、数多くの遺伝子を残すことで自分の遺伝子が生き残る確率を増やすこと、その本能に従ったものという事ですね。ですがそれは社会的には許されないと知っているからこそ、男は浮気の際にも避妊をし、育て上げる経済力がない場合は子供を作らない自制をするという矛盾した行動をとります。
女の浮気は、自分により多くを与えてくれる人を選択すること、子育てに有利な環境を作る本能に従ったものという事です。女性は子供を産み育てるために多くの時間を使わなければいけません。ですからひとつの遺伝子を残すためには優れた環境を望むのです。ですが浮気が許されないと知っているからこそ、浮気をしつつも安定した環境を手放せない事になります。
それでいてパートナーの浮気を許せないのは、もちろん男性の場合は自分の遺伝子が生き残る確率を下げてしまうからというのが理由で、女性は一人の男が費やす環境が分散してしまい、自分の取り分が減ってしまうからという事になります。既婚者と不倫関係になった女性が、本妻に取って代わりたがるのも同じ理由ですね。
もちろん浮気をしてしまうのが本能だから仕方がない、なんて思ってはいけません。浮気によって本能的な欲求を満たすことができても、社会的な信頼は失います。浮気のきっかけはさまざまでしょうが、どんな理由を付けても反社会的な利他的行為であることは間違いないのです。